フラワーエッセンス療法では花を自然のアーキタイプと見なしますが、そもそも「アーキタイプ(元型)」とは何でしょうか。
アーキタイプについて簡単に説明してみましょう。アーキタイプ(元型)はC. G. ユングが想定したもので、わたしたちの無意識がもっている振る舞いの「元」になる「型」のようなものです。
ユングはフロイトと共に行った連想実験によって、わたしたちの心の中には、意識のはたらきを邪魔するような、つまり自我の統制に従わないはたらきが生じてい ることを明らかにしました。(自我は、普段「わたし」と思っている意識の主体で、自分と他者、内と外を区別して、自分を独立した存在として経験するための意識の主体。)そのはたらきは感情という色を帯びた内容の集まりによるものと考え、無意識内に存在するそのような心的な内容の集まりをコン プレックスと呼びました。
しかし、ユングはコンプレックスという概念だけで人間の無意識を理解するのは困難という考えに至ります。コンプレックスの背後にはもっと深い無意識の層があると考えるようになるのです。
ユングは、患者の夢のイメージなどの主題を自由な空想活動の中で発展させる技法(能動的想像)を用いました。その中で絵画やスケッチなどの無数の作品が患者によって描かれました。それらは多様性に富んだものでした。
ユングは何年もの間なぜそのような多様なものが出てくるのかを理解できずにいましたが、観察と研究を続けた結果、それらの中には一定のモチーフが個人を超え て存在することを経験的に見出していきました。多様性に富んだそれらのイメージは、ひとりひとりまったく異なる無関係なものではなくて、無意識の深いレベ ルではいくつかの共通のイメージやテーマとして現れることを発見しました。さらに、そのような共通のイメージやテーマが、精神病患者の妄想や、未開の人々 の伝承にも、また神話や昔話にも認められることを発見しました。
こうした個人を超えた普遍的なイメージが存在する背景には、集合的無意識の領域が存在し、共通のイメージやテーマの元となるアーキタイプ(元型)が想定できると主張したのです
個人の経験によって獲得されたのではなく、遺伝によって伝えられる人類に共通の無意識領域があって、本能的な行動を導くイメージを生み出す型、あるいは振る舞いのパターンがその領域の特性であるとユングは考えたのです。この生まれながらに私たちに備わっている振る舞いのパターンがアーキタイプ(元型)です。
たとえば、子どもの存在によって母親の中に母性的な振舞いが目覚めるのは、生まれながらに(本能的に)そのような行動がとれるようになっているのからであって、個人的に獲得されたものではありません。そこには「母親」元型がはたらいていると考えることができます。
また、元型は両極性をもっています。たとえば、父親の元型的イメージには、支え、導き、守ってくれるというイメージと、支配的で去勢するイメージの両方が含 まれています。元型的なイメージはポジティブな面とネガティブな面を併せ持っています。そして、実際の父親のイメージはこのような元型的なイメージと個人的な環境がどのようにまざりあうかによって決まってきます。
同じことがフラワーエッセンスに言えます。たとえば、ミムルスのエッセンスの性質が自分に当てはまるとすると、ミムルスの両極性(恐れに捉えられるイメージと恐れを超えて勇気をもって動くことのできるイメージ)が、自分の個人的な経験とまざりあって経験されます。
とりあえず、ここまで・・・続きます。